野庭中吹奏楽部が最後の晴れ舞台で堂々の演奏【丸フェス40レポート】

10月14日(月・祝)に開催された丸山台の40周年を記念したビッグイベント「丸フェス40」

当日はあいにくの天候でしたが、町の人たちの思いが詰まったイベントだったので、数回に分けてご紹介いていきましょう。

未来を築くための第一歩となる演奏会

2つの吹奏楽部が奏でたそれぞれの音楽が泣けた

すでにご存知の方は多いかと思いますが、横浜市立野庭中学校は、2020年3月をもって閉校し、横浜市立丸山台中学校に統合されます。

少子化社会ゆえのやむ得ない決定だとは思いますが、子供たちにとってはなかなかのインパクトだと思います。距離こそ1kmほどしか違いませんが、学校が違えばカルチャーも気質もまるで変わってくるものですし…。

今回の「丸フェス40」では、統合予定の2つの中学の吹奏楽部が、お互い別々の部として共演する最後の舞台が用意されました

ちなみに丸山台中は、東日本大会で金賞を受賞したこともある名門で、2019年度の神奈川県大会では、惜しくも代表の座こそ逃したものの金賞を受賞しています。

一方、野庭中もかつては神奈川県大会で金賞を受賞し、代表に選ばれたことがある伝統校です。

統合後、野庭中の吹奏楽部の部員たちが、丸山台中の吹奏楽部に移籍するかは分かりませんが、野庭中の吹奏楽部として演奏するのが今回が最後とのこと。

学校以上にカルチャーが根付くのが部活です。ましてや音楽系の部活なら、より明確な違いが出てくるでしょう。

そう考えると、野庭中の吹奏楽部にとっては、自分たちが作り上げた音楽を奏でる最後の晴れ舞台。アラフォーの涙腺ユルユルおじさんとしては、もうこみ上げてくるものがあります。

当日が雨天だったため丸山台小学校の体育館での開催となった

当初、野球場で屋外演奏となる予定でしたが、「丸フェス40」当日があいにくの小雨模様だったため、丸山台小学校の体育館に変更となりました。

吹奏楽部の魅力が詰まった演奏会

最初に演奏を行った横浜市立丸山台中学校の吹奏楽部

商店街プロレスの第一部終了後に登場したのが丸山台中学校。吹奏楽のにわかファンなので詳しく解説はできませんが、30人前後の編成でした。部員たちは、制服のズボン&スカートとおそろいのTシャツ姿でテキパキとした動きで演奏し、なかなかの迫力

特に胸を打ったのは、終盤に演奏された吹奏楽の定番であり、人気曲『宝島』。音楽素人の私は音楽的な感想はまったくいえませんが、「吹奏楽って、やっぱいいなぁ」としみじみ感じてしまう素敵な演奏でした。小さな体育館で音が反響しやすかったこともあり、より迫力を味わえた気がします。

ジーンズにお揃いのTシャツ姿で演奏した横浜市立野庭高校の吹奏楽部

一方、野庭中が登場したのは商店街プロレス終了後。おそろいのTシャツにジーンズで統一したカジュアルな装いでした。編成は20人前後と、丸山台中と比べるとより小規模に感じましたが、演奏開始まで入念な音合わせをしている様子がひたむきで好感を持ちました

人数が少ない分、迫力という意味では押さえ目でしたが、『魔女の宅急便コレクション』(ジブリ映画『魔女の宅急便』に使われた楽曲のメドレー)という選曲が野庭中吹奏楽部の心境にマッチしているかのように思えて、無性に泣けてきました

『魔女の宅急便』の主人公キキも、中学生くらいの年齢だったし、新たな環境に飛び込み奮闘しながら“落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです
”なんて親に手紙を書いていたなぁ…

画像はプライバシーに配慮して一部加工しています

ちなみに野庭中の演奏中には、丸山台中の吹奏楽部の生徒たちも足を運んでいて、来年から共に同じ音楽を奏でるかもしれない未来の仲間たちの演奏を熱心に見ていました

異なるカルチャーを尊重し合うための第一歩は、お互いを知っていくことだったりしますからね。 こうした場を設けた、丸フェス40の実行委員会の皆さんも粋なことをするなと思いました。

かつて、中澤忠雄さんが率いた野庭高校が高校吹奏楽界に旋風を巻き起こし、そのお膝元で刺激を受けるように吹奏楽が盛んだった野庭中の閉校は寂しさを感じずにはいられませんが、若者らしい柔軟さで新たなこの町の音楽を作っていって欲しいと思いました。

来年度、丸山台中の吹奏楽部がどんな音楽を奏でるようになるのか、今から楽しみだったりもします

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