人は壁を前にするとワクワク感と畏怖の念が入り混じった不思議な気分になります。
実はこの街にも素敵な壁があります。私が勝手に“日限山の嘆きの壁”と呼んでいる神奈川県横浜市港南区日限山1丁目7―6(https://goo.gl/maps/LtPF7DiLjnM2)付近にある壁がそれです。
上永谷~下永谷界隈の知られざる名・珍スポットを紹介していく新コーナー『ながやの○○』の第二弾です。
「あれ、この景色、海外の○○(名所)にそっくりじゃない?」
「映画の○○シーンで使われたような雰囲気があるなぁ」
「意外とここからの景色は絶景だぞ!」
などなど、やや地味ながらもどこか心ひかれるスポットを紹介していきます。
住宅街に突如現れる3m超の壁
なぜか心を引き付けられる魅力が…
私がこの壁に出会ったのは、約2年前の夏の夜。息子と日限山の住宅街を散歩をしていたら発見したのがこの壁でした。
壁なんてそこら中に溢れているものですが、この壁はちょっと存在感が違いました。瀟洒な戸建て住宅が林立する日限山に突如出現する、城壁のような壁。第一印象は、『進撃の巨人』の「ウォール・マリア」に迷い込んだか?(若干大げさ)というものでした。
おそらく地形的なものが手伝っていると思うのですが、平たんな道なを歩いていると思ったら、突如、横の住宅と道路に高低差が顕在化する驚きがこの壁の魅力の秘密かもしれません。よくよく考えると非常にゆるやかな下り坂になっているので、知らず知らずのうちに高低差は出ていたんですけどね。夜も手伝って、余計に驚きました。
そして壁の前に立つと、なぜか湧き上がる高揚感と自力では到底登れそうにない垂直にせり立った壁は、どこか畏怖の感情さえ頂いたものです。
高さはおよそ3m強、長さは50~60mはありそうな巨大な壁の前に立つと、単なる住宅の擁壁なのに、ありがた~い壁のように感じてしまったワケです。
しかし、『進撃の巨人』の壁というには、やや高さが足りないし、万里の長城というには、長さが足りない。でもどこか既視感があるということで、思い至ったのが、イスラエルのエルサレムにある“嘆きの壁”です。
本家の嘆きの壁は、紀元前20年頃に作られた神殿の外壁で、複雑かつ混乱が続いたエルサレムにおいて、ユダヤ人の精神的な拠り所となったスポットで、現在では、世界的な観光スポットになっています。ちなみにこの嘆きの壁を含め、エルサレムの旧市街地は世界遺産群としてユネスコに登録されています。
“テニス禁止”はご愛敬。住民にとっては“嘆き”の壁?
この壁を前にして、もっとも目に付くのが「テニス禁止」と書かれた看板です。確かに壁打ちしたくなるほどの高さと幅があるわけですが、壁の上に建つ旭ハイツの住民の方々すれば、さぞ迷惑でしょうから、この看板は致し方ありません。逆に看板が立つくらいですから、“嘆き”たくなるような壁打ち被害があったのかもしれません。
壁打ちをしたければ、ちょっと歩いて、丸山台公園(神奈川県横浜市港南区丸山台4丁目7)にある壁打ち専用コートを使うのが得策です(笑)。
静かな住宅街なので、観光地化してしまうと周辺の皆さんにご迷惑をかけてしまうのですが、散歩ルートとして組み込むと、ほんのり世界遺産めぐり感があってお得な気分になれます。
ちなみに周辺には、上永谷中里第二公園という中規模の公園もあるので、子供を連れてお散歩して、公園で遊ぶという流れもおすすめです。
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