好きこそ上達の最短距離!元プロ選手が教える野球塾

情熱を持ち、周囲に影響を与える活動を続ける人を特集する新コーナー「街の情熱家~Eternal flame~」

前回に引き続き、横浜市立南高校(南高)・野球部出身の元プロ野球選手大石滋昭(おおいししげあき)さんを紹介していきましょう。

今回は、大石さんが10年以上続けてきた活動である、子ども向けの野球教室について掘り下げていきましょう。

子どもたちの可能性を伸ばすレッスン内容とは?その秘密に迫ります。子どもに野球を教えたいお父さん、お母さん、必見です。

「好き」を育む楽しい教室

捕る・打つ・投げるの基本を学ぶ

親が子どもに野球を教える時についついやりがちなのが、「巨人の星」の星一徹的なスパルタ式の熱血指導。程度の差はあれども、厳しく接する、いろいろ詰め込むのが当たり前と感じている人は多いと思います

実は私もそんな親の1人。息子に野球がうまくなってもらいたくて、アドバイスしているつもりが、いつしか口うるさい父親になっていました。

そんな話を大石さんに話すと、

「野球に興味を持ち始めたばかりの子どもに対して親ができることは“ひたすら付き合ってあげる”ことなんですよ。アドバイスをしたり、野球理論を学ぶ必要はないんです」

とシンプルな答えをくれました。

何かを極めたいと思う最初の入口は「楽しい」と感じて「好きになること」。 人は誰しも好きなことは続きますし、努力や苦労にだってきちんと向き合えます。それに吸収力がまるで違います。

そうした本質をしっかり理解し、実践しているのが大石さんの野球教室なのです。

先ほどの“ひたすら付き合ってあげる”という話も、「好き」の種となる“楽しい”を育てるために大事になってくるわけです。

バッティングが好きな子供には、ひたすらトスをあげてあげる。子供は、そこで自分なりのコツをつかみ、自分で工夫をはじめ、上達の階段を1段昇ります。もちろんうまくできたら褒めることは必要ですが、それはアドバイスでなく、一緒にできたことを喜ぶスタンスでいいというのが、大石さんの考え方なのです。

野球経験者のお父さんだと、子供が野球に興味を持つといろいろ教えたくなりますが、少なくとも興味の入口の段階ではグッと堪えるのが得策。バーベキューで火を起こす時に、最初からうちわであおぎすぎると火が消えちゃうのと一緒なのかもしれません。

遊びの延長で基本を教える

今回の取材では、未就学児クラスと小学生クラスを見学させてもらいましたが、いずれも子供たちの楽しそうな雰囲気が印象的でした。

ちなみに取材させて頂いた日が、奇しくも大谷翔平選手がメジャーでサイクル安打を記録した日。レッスンの最初に大石さんがその話題に触れ、大谷選手のバッティングフォームを真似した後にバッティング練習に入る流れには、“教えるプロ”としての真髄を見た気がしました。

興味をひき、大切なポイントをさりげなく伝え、いい気分で練習に入る。4-6-3の華麗なダブルプレーのようでもありました。さすがは二塁手。

さらに興味深かったのが、そんな流れでバッティング練習を始めた時の子供たちのフォームが、みな強打者のような雰囲気でカッコ良かったことです。大谷選手の話題をしたことがいい影響を与えているのかもしれません。

トスバッティング用のボールは飛び過ぎず、当たってもケガしないものを使用

練習内容は、捕る、打つ、投げるに特化したメニューで、最後は試合形式のフリーバッティングをして終了という流れ(参加人数によりメニューの変更もある)。

練習中に罵声や怒声が飛ぶことはなく、子供たちの笑顔が終始溢れていました

ただ、まるで注意しないのかと言ったらそうではありません。野球はケガもしうるスポーツ。安全面の観点から危ないことをしたことには厳しく注意もします。自分のみならず、他人をケガさせてしまうこともあるからです。

今回見学させてもらった、小学生クラスでは、少年野球チームに入っている子よりも、入っていない子の方が多いそうです。とはいえ、随所で鋭い打球を飛ばしたり、華麗なフィールディングを見せたり、強肩の片鱗を感じさせる送球があったり、いろいろな可能性を感じさせる子供たちでした。

甲子園やプロを目指すような子も出てくるかもしれませんし、高いレベルでなくても生涯スポーツとして野球と向き合っていく子も出てくるでしょう。

そのファーストステップとして、野球の楽しさと基本を教えてくれる大石さんの野球教室はとても貴重な場所だなと思いました。

上手、下手で優劣をつける価値観はまた違う、より楽しくするために技術を学ぶという価値観は、これからの時代を生きる考え方にも共通するなぁと思います。

最初の一歩は親子教室から

なお、この野球塾に入る前段階として、親子野球教室という取り組みも行っています。野球に興味をもっているお子さんとお父さんorお母さんで、野球の楽しさや基本を体験できる会となります。

●港南区・日野中央公園、
9月16日(月・祝)
10月12日(土)
11月9日(土)
12月15日(日)
いずれも11時~13時となります。
参加費:2,000円(一組・税込)

●磯子区・岡村公園
9月1日(日)
9月29日(日曜)
いずれも11時~13時となります。
参加費:2,000円(一組・税込)

問合せ&申し込み:046-801-4189(NPO法人デポルターレクラブ)

●大石滋昭さん
NPO法人デポルターレクラブ代表/日本プロ野球OBクラブ会員。 元東京読売巨人軍・近鉄バファローズ 内野手(右投・右打)。横浜市立南高校からドラフト外で巨人に入団(1982年)。翌年、近鉄に移籍。3年間在籍するも一軍の経験なし。退団後は会社員を経て、1990年よりゴルフ指導員としてレッスン活動を開始。並行して2007年から3年間、ジャイアンツアカデミーのコーチを務め、野球の指導方法を学ぶ。その後、デポルターレクラブを設立し、幼児・小学生・中学生及び成人の野球スクールを主催している。スクール運営の他に、映画「アゲイン 28年目の甲子園」で、野球技術の指導及び野球シーンの監修を担当した。

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